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2012年5月 4日 (金)

頭の切り替えは多様であるほど強みになる

脳科学者の茂木健一郎氏の

『忘れるだけでうまくいく 脳と心の整理術』より抜粋です。

◆無理に忘れようとしなくていい

人はひどく落ち込んだ時、落ち込んでいる自分以外の姿を想像できないものです。

たとえば、受験に失敗した、就職活動がうまくいかない、恋愛が破綻した、そのような時、仮に楽しいことがやってきても、「私に楽しいことなんてあるわけがない。

こんなにも落ち込んでいるのだから」と考えてしまうのです。

もしかしたら、「こんな失敗をした自分は、楽しんではいけないんだ」と自らを戒めてしまうのかもしれません。

 しかし本当は、自分の中に「何人もの自分」がいていいはずです。

失敗してしまった自分、落ち込んでいる自分、でも友だちと遊んで楽しい自分、別のことを考えて嬉しくなる自分、というように。

自分が子どもだった頃を思い返してください。友だちと喧嘩をして怒っていても、ご飯を食べたらおいしいし、何かいたずらをして両親に叱られても、テレビを見たらそんなことはきれいさっぱり忘れてしまう、何か悩みかあっても一晩寝たらすっかり元気になっていたのが子ども時代です。

その頃の感覚を思い出して、僕たちも「何人もの自分」がひとりの人間の中に混在していることに慣れたほうがいいのです。

 落ち込んでいる時は、何をしたって今の状態は変わらないように思ってしまいがちですが、たとえ大失敗してしまったとしても、脳はその時々に合わせて切り替えることができます。

大失敗した自分と、友だちと遊んで楽しんでいる自分が、同じ人間の中に同居していても不思議ではありません。自分の中には多様な自分がいると思えれば、気が楽になるのではないでしょうか。

 失敗してしまったことを無理に忘れようとする必要はありません。ただ、頭をその場その場で切り替えていけばいいのです。

繰り返しになりますが、無理に忘れようとしても、かえってその対象に注意が向いてしまうので、むしろ別のことで気を紛らわせたはうがいいのです。

そして他のことをやっている時でも、時々は「ああ、今、失敗したことを思い出してしまったな」という瞬間が訪れるでしょうが、それに対して神経質になる必要はありません。冷静にそんな自分を見つめ、徐々に今、没入していることに注意を再び向けていけばいいのです。

頭の切り替えは、多様であればある程その人間の強みになります。

何か失敗した時や落ち込んだ時に、お酒を飲んで紛らわすことしかできない人よりは、読書、アウトドアなど没頭できる趣味や友だちと会うなど、手持ちのカードがいくつもあったほうが、よりひとつのことにとらわれなくて済みます。

いろいろ経験することで自分の中に多様なカードを用意しておくと、いざという時に柔軟に対応できる自分になれるはずです。

<茂木健一郎 著『忘れるだけでうまくいく 脳と心の整理術』より>

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