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2012年5月 4日 (金)

脳を退屈させない

<茂木健一郎 著『忘れるだけでうまくいく 脳と心の整理術』より>

◆新しいものを好む脳の性質を利用する◆

 人間の脳は、新しいものを好むネオフィリア(neophilia)という性質を持っています。この地球上で人間だけが進化と繁栄を得たのは、人間が新しいものを好む性質を持っていたからだといっても過言ではありません。

 これは裏を返せば、人間の脳にとっては退屈が一番の敵だということです。もっとも、退屈を感じるということは、その人が成長している証拠でもあります。

子どもの頃を思い出していただければ分かるかと思いますが、子どもはすぐに退屈します。

子どもの脳がそれだけネオフィリアの性質を強く持ち、新奇のものが脳の栄養素となっている証拠です。

 大人でも「いつも楽しいことを探し出しているから、退屈なんてしないよ」という人は、いいでしょう。脳も新しい栄養を摂って成長できているからです。しかし、特に新しいことをするでもなく毎日を惰性で生きているだけなのに、退屈を感じなくなるとしたら、それはちょっと危険信号です。

退屈を退屈と感じない、それは脳の成長が低下気味だからかもしれません。

退屈の空気の中に長い間浸っていると、人間の脳はだんだん退屈に慣れて成長が止まってしまいます。そうならないうちに、自分の退屈感を察知して、ネオフィリアを満足させる行動を新たに見つけ出すことが大切です。

 これも子どもと比べることになってしまいますが、幼稚園や小学校、中学校の頃までは、学校の先生や大人たちがいつも新しい課題を与えてくれました。

宿題や推薦という形で、新しいテーマを子どもに提供し、子どもはそれらに挑戦することで自身のネオフィリアを満足させてきたのです。

ところが大人になると、ほかの誰かが新しい課題を見つけ出して与えてくれるわけにはいかなくなります。大人は経験がある分、自分で工夫して新しい刺激をつくり出していかなくてはならないのです。

 僕の場合は、本を読むことでネオフィリアを満足させています。本は読み始めれば、一瞬で違う世界に連れて行ってくれるものです。

また本のいいところは、読む本を替えれば、また別の世界に飛んでいけることです。一冊の本はいつか終わりがくるでしょうが、この世にある本に終わりはありません。

どれだけ僕が読んでも、まだ僕自身のネオフィリアを満足させてくれる本はいくらでもあるということです。

僕は同時期に数冊の本を並行して読む癖がありますが、これも一冊の本を読むのに少し飽きたら、別の本を手に取ることができるという、退屈予防のための作戦です。

<茂木健一郎 著『忘れるだけでうまくいく 脳と心の整理術』より>


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