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2010年1月 2日 (土)

立花 隆の「がんの謎に挑む」3時間版

昨年末に3日間連続で、立花 隆氏の「がんの謎に挑むNHKスペシャル」の

拡大版が放映されたので迷わず拝聴いたしました。

この3日間の拡大版は前回の50分スペシャル版では、放送できなかった

内容を3日かけて伝えるというものでした。

3日目は、立花氏が末期がんの患者を訪ねる場面がありました。

なかでも印象に残ったのは、70代くらいの女性でした。

「○○さんは、(取り乱しもせずに)すごく態度が立派ですが、

どんな心持ちなのですか?」

と担当医師からの問いかけに対して、

「それは家族がいるからです。家族と周囲の人たちに感謝でいっぱいです」

さらに、

「私は学歴もないし、教養もない女ですけど、感謝することはできます」

と語っていた場面だった。

立花氏は、この女性は既に自分自身が「命の連環」のなかのひとつの

命だったことを悟っていたのだろう、とコメントをしていました。

悟ることができたのは、彼女の家族や病院の医師や看護師さんなど周囲の

人たちが、自分を精一杯なぐさめ、よくしてくれるなかで、自分の命はここで

終わるけれども、周りを見れば自分の「命」は確実に将来へと繋がっている、

ということを認識できた、ということではないだろうか。

死の直前でこのような気持に成れるということは、なんとすごいことだろう・・

もう一人の患者は、70代くらいの男性であった。

やはり医師との会話のなかで男性が自分から口にした言葉に

興味を魅かれた。 

それは医師が

「○○さんは田んぼが好きなんやねえ」

と投げかけた言葉に対して本人が、

「先生、知っとるかあ・・・れんげ畑のなかでど~んと横たわるんや・・、

服が汚れるのも気にせんと・・」

患者本人が、医師の「田んぼ」という言葉から連想して、かつて元気で

農業をしていた頃に、ひと仕事を終えて、れんげ畑のなかに寝転がった時を

瞬時に思い出したのだと思った。

もう寿命が終わりになりかかっている直前に、人はああいう光景と気持ちの良さを

思い出すのか!と打たれてしまった。

おそらく本人にとっては、とっても幸せな時間だったに違いない。

自分はそのように思い出すような光景と経験があるだろうか。

番組のなかで各国のがん研究者が語っていた。

「がんは6億年前からすでにあった。恐竜もがんで死んでいた」

「がんの転移のシステムは、人の発生のシステムをそのまま利用している」

「正常細胞が、がん細胞をかくまってしまう」

「がん幹細胞は、極めて正常細胞の幹細胞と似ている」

「がんのゲノム解読には、人ゲノムを解読に要した時間の2万5千倍もかかる」

「がん克服には、今後100年くらいはかかるだろう」

「転移がんになったとしたら、QOL(生活の質)を下げないために

 治療薬は飲まない選択肢もある」

「人間がプラナリアのような再生能力を持たないのは、がんが発生

 する確率を少なくするために進化の途中で再生能力を

 捨てたのではないか」

「人間は60兆個もの細胞から成り立っており、2日~60日くらいで

 60兆個の細胞がすべて新しく生まれ変わっている。したがって

 1個くらいがコピーミスでがんになっても全く不思議なことではない」

「転移したがん細胞は、たった1個のがん幹細胞が子供がん細胞を

 増殖させることで起こっている」

「がん細胞のほとんどは血流にのっている中で死んでしまうが、

 100万個から10億個に1個の幹細胞が生き残ると、

 それが転移場所で新たながんを作り出す」

「人間の未知なるものを解明したいという願望が、いつの日か、

 がんの全容を明らかにしていくだろう」

これが番組最後の立花氏のコメントの終わりでした。

今回の番組で放映された内容は、おそらく現時点で最新最先端のがんに

関する情報ではなかったかと思いました。

非常に重たいにも拘わらず、考えさせられる番組でした。

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